はじめてのZINE制作『もじとおどる:JavaScriptで楽しむWebと文字』

『もじとおどる』表紙

はじめに

こんにちは。坂村です。初めてZINEの制作をしたので、紹介・振り返りをしてみたいと思います。

すぎもと組によるテック・ジン5冊目として『もじとおどる:JavaScriptで楽しむWebと文字』を作成しました。 本書は主宰である杉本達應先生の授業課題「Web上に詩的な作品 (a poetic piece) を企画・制作」をテーマとした20の作品を紹介したもので、学生の有志5名によって編集を行いました。

詳しくはこちらからご覧になれます

mojitoodoru.zine.sugimototatsuo.com

どんな本?

基本的なWeb技術を学んだ学生たちが、習得した技術を使用して文字にまつわる作品を制作し、Webとタイポグラフィをテーマにした20作品をおさめた作品集です。

作品を4つのカテゴリー「もじをあじわう」「もじをたのしむ」 「もじとあそぶ」「もじとおどる」に分類し、セクションごとに作品を1ページずつ紹介しています。

編集メンバーが制作した作品は、4ページにわたって詳細な解説を加えました。最後に、「もじをかたる」では作品制作を振りかえった座談会を収録しました。

はじめてZINEを作ってみて

本書は授業課題の制作物をまとめた作品集的な位置付けのZINEです。同じテーマのもと制作された作品たちですが、テーマの解釈は多種多様で、全く異なるベクトルの作品が集まりました。様々な趣向の作品たちに1つ方向性を定めて本として成り立たせていくという作業は、編集メンバー全員が初心者の状態では骨の折れる作業でした。

読み応えのある作品集を目指し、編集メンバーの作品紹介にはページを割いてコンセプトや技術的な解説も加えました。ページを割くといってもわずかなページ数だったので、自分の作品の構造の核となる技術を絞って要点だけ紹介するといった形になりました。つぎはぎコードを作成しがちな自分としては、全てに整合性があるかを考えながら、読者へのわかりやすさと嘘のない解説を書くことの難しさを感じ、普段からお世話になっている解説記事へのありがたさを数倍増しに実感した次第です。

ともあれ、技術解説に限らず「本の制作ってこんなに考えることあるのか…!」の連続でした。章立ての順番、単調さを感じさせない構成、テキストの配し方一つとっても実物が綴じられた状態のことを想像しながらレイアウトするなど、ちょっとした配慮の集合が「本」を成り立たせているんだなぁとこれまた本を作る皆様へのありがたさを感じてしまいました。

技術書典で売ってみて

「技術書典」にてお披露目ということで、ほぼ技術要素のない本書が来場者の方々にウケるのか不安でしたが、技術書の中で作品集というカテゴリーが珍しかったのか、多くの方に手に取っていただけて一安心でした。

なにより、自分が制作したものに興味を持って買っていただけるという体験は代えがたい喜びがありますね。

さいごに

はじめてのZINE、勝手がわからずに手こずった部分も多くありましたが、満足のいく仕上がりになったと思います。普段はあまり見ることのない、学生たちの多様なアイデアが集まった作品集、ぜひ手に取っていただければと思います!