初夏の記憶と『初夏の旅路』

鎌倉での思い出から生まれた作品について

目次

はじめに

 こんにちは。アンです。

 自分のジェネラティブアートの最新作『初夏の旅路』が、2023年6月17日から6月25日(日)まで開催される展覧会『Proof of X - Blockchain As A New Medium For Art -』(THE FACE DAIKANYAMA)で展示されます。今回のブログは、展示作品の『初夏の旅路』についての話です。

初夏の旅路 Traveling in Early Summer #21

Proof of X との縁

 『Proof of X - Blockchain As A New Medium For Art -』という展覧会では、NFTやブロックチェーンなどをテーマとして、世界中の20名のアーティストの作品が展示されています。特別企画として、Tezosブロックチェーン上のジェネラティブアートNFTプラットフォーム「fxhash」と、ジェネラティブアートNFTプロジェクト「KUMALEON」がコラボレーションし、ライブMintイベントを開催しています。そして、10名までのジェネラティブアーティストの公募活動が始まりました。

 募集の締め切りまでの2日間前、fxhashで活躍している日本のアーティストのsakamuraさんから、公募情報を知りました。今までfxhashに出品したことがないので、心配しながら応募しました。これまで、さまざまなイベントに応募して落選した経験が多かったので、今回の応募に選ばれる希望はあまり抱いてなかったです。そのあとの5月16日、KUMAKLEON のToshiさんからの自分が入選したというメールが届きました。本当にすごく嬉しかったです。ここで、本当にToshi さんやProof of Xの皆さんに感謝します。特に、アーティストのsakamuraさんに感謝を申し上げます。あの日に話し合っていなかったら、今回のチャンスを逃していました。

作品作りの裏話

 入選した瞬間、すごく興奮して嬉しかったですが、どんな作品を作ればいいのかという悩みがすぐ来ました。「fxhashではどんな作品が人気があるかな」「新作を作るか、今まで作った作品を調整しようか」「僕の初めてのfxhashでの作品が売れるか」「fxhashでのみんな、どのような作品が好きかなぁ」「3週間ぐらいの期間内で、自分なりの良い作品が生まれるか」などの質問というか不安の心の声が響きました。

 しかし、悩みながら少しでも決めたことがありました。それは、現在の季節の今の自分の気持ちをちゃんと作品に表現しようということです。そして、4年前の2019年の6月に、友達と鎌倉に旅行した記憶が浮かびました。そのとき、長谷寺に行きました。スマホのなかの記念写真を見ながら、長谷寺での日本の庭園、紫陽花が溢れている階段、鯉が泳いでいた池などの思い出が湧いていました。それは確かに、私にとって初めての日本の今の時期つまり初夏の印象です。自分なりの初夏の印象をジェネラティブアートで表現したら良いかもしれないという気持ちで作品を制作しました。

『初夏の旅路』の解説

『初夏の旅路』の制作過程

 今回の作品で描写するのは、俯視の視点から見える日本の初夏の池の風景です。キャンバスの全体で池の一部を表現します。周りに、池を囲む植物を描写します。池のなかには、鯉が泳いているので、水面に波紋が生じます。キャンバスの比率を1:2(w:h)に設定しました。日本の障子や襖の比率に近づけました。3枚以上の襖のような作品を横並びにすると伝統的な屏風のようにも見えます。

4枚の『初夏の旅路』で組み立てた屏風のイメージ図

 今回の作品では「fx(params)」を使っているので、鑑賞者が設定したパラメーターを変えるとすぐに作品の変化が見られます。そのため、鑑賞者がジェネラティブアートの生成する過程に参加することができます。

fx(params)での『初夏の旅路』

 作品には4つのパラメーター(“Seed Number”、“Type of Plants”、“Amount of Fishes”、“Amount of Waves”)を設定しました。“Type of Plants”で植物の種類を選びます。木の葉、あじさい、松葉と草むらの4種類があります。“Amount of Fishes”と“Amount of Waves”で池のなかの鯉と波紋の数を調整できます。この3つを決定し、“Seed Number”で色、各パーツの位置など他の変数にランダムを与えて、描写する池の風景が変わります。

 作品のタイトルについても少し説明します。作品で表現するのは初夏の池の風景だから、「初夏」を使っています。「旅路」という単語を使う理由はいくつかあります。直接的な理由としては、今回の作品が4年前の旅行の記憶から生まれたからです。今回の展覧会のおかげで私のfxhash上の旅が始まります。そのほか、「僕らはまだ 旅の途上にいる」というセンテンスが大好きです。それは好きな作品の『四月は君の嘘』の主人公のセリフです。そして、日本の歌手の藤井風さんの名曲『旅路』も大好きです。「旅」「旅路」「旅の途上にいる」などのイメージや概念がすごく意味深いと思います。人生は旅だと考えています。

さいごに

 新作の『初夏の旅路』について、いろんなことを紹介しました。NFTアート、ジェネラティブアートやメディアアートなどに興味ある方々、ぜひ会場にお越しいただければと思います。

感謝

 Proof of X、KUMALEON、fxhashのみなさんのおかげで、『初夏の旅路』を無事に出品し展示することができました。心から感謝申し上げます。