読書記録 働く気持ちに火をつける

はじめに

こんにちは。ネットワークデザインスタジオB4の鈴木です。 今回は、齋藤孝『働く気持ちに火をつける』を読んだ記録を書きます。

手に取ったきっかけ・感想

 高校の頃の部活動のスローガンが『ミッション・パッション・ハイテンション』だった。 ちょうど今、就活で自分のモットーや性格、物事に取り組む姿勢などを、過去の経験を通して説明する機会が多い。そんな時にふと思い浮かんだのが、このスローガンだ。

 高校生だった当時、このスローガン通り 『目標や使命感を持つ・情熱を持つ・上機嫌でいる』ことを心がけてはいたものの、それは私にとって不完全燃焼の原因ともいえる言葉だった。 当時の私にとっての最大のミッションそのものがコロナによって無くなったからだ。聞くとネガティブな過去を思い出さずにはいられないが、最近になってこの言葉が『働く気持ちに火をつける』という本のサブタイトルであることを知った。そこでこの本を手に取り、現在の自分の考えや人生観を整理していきたい。

ミッション

 私は昔から自分で自分のための目標(学業や部活動、資格など)を立てることが苦手だった。人に認められたい、負けたくない、迷惑をかけたくない。何かを一生懸命頑張るときの原動力はこのいずれかだ。

 『ミッションは、誰かから具体的な指令を与えられるという点が重要だ』という一文があるが、読んで少し安心した気持ちになった。就活において何となく、自分をさらに高めるための崇高な目標がなくてはならないと感じていた。しかし実際には自分で自分にミッションを与えることができる人は少なく、他者から与えられてこそより大きな目的のために働く意識につながっていく。動力源を自分の外側から得ることは社会において当然のことであるという認識を得られたことは、肩の荷が降りるような感覚であった。

パッション

 パッションは、自分に一番欠けているものだ。文中で『ある屈辱や不愉快な体験を、その後の自分のエネルギーに転化する』という意味合いで用いられている。私は良くも悪くも得意不得意が自分の中ではっきりしていて、諦めが良く、「不得意なことは他人の力を借りる」主義を採用している。よって屈辱や不愉快な体験を未然に防ぐ、ある意味都合のいい人間であることになる。

 文頭で述べたように、私にとって一番の「不」の体験は高校時代の最大のミッションそのものがコロナで無くなったことだ。何事も割り切って考えるようになったのはこの体験も起因していると思う。これをパッション的思考で捉えるとすると、「自分の努力してきた過去を肯定する」「これからも好きなことにとことんのめり込む」といった所だろうか。好きなことに対してのめり込む素質は人一倍あると思う。文中の『パッション』の意味とは少しズレるが、このような原動力は仕事上でも私生活でも持ち続けたい。

ハイテンション

 『仕事がうまくて不機嫌な人よりも、仕事では少々落ちてもご機嫌な人に依頼したくなるのが自然な感覚である』。その通りだと思う。『一緒に働く者同士が、労働を楽しいひとときととらえ、内側から湧き上がる喜びのメッセージを出し続ける』。世の中がこんな人々で溢れていたらなと思う。

 就活の軸について考えることがあるが、私は心からこのような人に囲まれて過ごしたい。どのようなコミュニティにも良い人間関係無しに居続けることはできない。どんな状況でも笑顔でいること、上機嫌でいることは決して簡単ではない。しかし「きついのを顔や声に出さない」ことでなんとなく自分が強くあれる気がする。ポジティブ思考はいつまでも大切にしていきたい。

終わりに

 社会人になる前のこの時期にこの本と出会うことができて良かったと思う。

 『ミッション・パッション・ハイテンション』を働く上での原則だけにとどめず、一つの集団を盛り上げる言葉として取り入れていた部活の顧問は今まで出会った「先生」の中で最も尊敬できる人だった。

 働くことは決して万人にとってポジティブなことではないかもしれないが、どうせ働くからにはこの3つの言葉を心に留め、社会人としてだけではなく一人間としてもこの言葉を実践できるようになりたい。

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