この日記は、自分が聞こえた騒音や感じた騒音を記録します。とくに、僕に影響を与えた騒音や感想を記録します。
目次
はじめに
こんにちは。アンです。2022年4月から騒音やノイズについての考察と研究を始めました。先日、学校でのM2の中間発表が終わりました。それをきっかけに、今までやったことをちゃんとまとめました。精読した文献、行ったミニ実験、考察した生活のなかでのサウンドスケープ、制作した作品、制作中のWebサイトなどを整理しました。これから来年の最終発表まで、今までやったことを言語化して論文というカタチで書かなければならないです。そして今年の夏休みの計画を立てました。それは、「騒音日記」を書くことです。日常で聴いた音(特に騒音)を言葉に変換して保存したかったのです。そのほか、騒音についての自分の感覚・感想・思いついたことなども残したいです。論文を書くためだけではなく、作品の紹介・解説などにも役に立つと思います。今回のブログには、先週の2日間の日記を公開します。
2023.8.10(木)
聞いた騒音: 自然:セミの鳴き声 機械音:冷房の風
感じた騒音: 時点:午後の13時30分 場所:スタジオ 脳のなかにある騒音との戦い: 脳のなかの雑念(騒音)が多すぎるので、心が落ち着かなかったです。本を読むときも、脳のなかでは関係ないことを考えていました。集中したかったけど、集中できるまで時間がかかることが多いです。それでは、どうすればいいのでしょうか?瞑想する方がいいのかなと思います。瞑想したら、心が落ち着くかもしれません。落ち着かないというか、やる気ができませんでした。前期の期末発表が先週金曜に終わりました。それ以来、ずっとゴロゴロしてきました。研究や作品制作をする気が弱くなっています。そして、色々考えたことを文字に変換して記入したら、脳のなかでのことを整理できるかもしれません。効果があるかどうか、分かりませんが。一応、考えたことを書きました。
いきなり、なぜ考えたことを書くかというと、外山滋比古さんの本を読んで、ある方法が気になったからです。『思考の整理学』のなかの「とにかく書いてみる」という文章に下記のようなセンテンスがあります[1]:
原稿に書いたものを推敲する場合でも、黙って読まないで音読すると、考えの乱れているところは、読みつかえるからすぐわかる。声も思考の整理にたいへん役立つのである。 思考は、なるべく多くのチャンネルをくぐらせた方が、整理が進む。頭の中で考えているだけではうまくまとまらないことが、書いてみると、はっきりしてくる。書きなおすとさらに純化する。ひとに話してみるのもよい。書いたものを声を出して読めば、いっそうよろしい。
そして、とくに雑念が多いときには、自分の雑念を書いてみたら、脳のなかの整理ができるならいいと考えて、騒音の日記を書こうと決めました。
2023.8.12(土)
聞いた音と気になる音:
- 車のクラクション
バイト先に行く途中、午前10時40分頃、銀座7丁目銀座中央通りのある交差点で信号機を待っているとき、隣の自動車のクラクションが鳴っていました。あの車に近いところにいた私はびっくりしました。日本では、自動車のクラクションが聞こえることは珍しいことではないでしょうか?九州大学の岩宮さんたちが行った調査により、車のクラクションは日本であまり聞くことのない音であることがわかりました[2]。日本の音環境の全体的印象としては、静か、良好などのイメージです。だから、今回のクラクションに気がつきました。
- 好きな音楽
電車に乗るとき、イヤホンで音楽を聞きながら本を読むのが個人的な好みです。基本的に好きな音楽を聴きます。使っているイヤホンはノイキャン機能がないタイプです。今日は、本の内容に集中するまで時間がかかりました。まわりの音や声がある程度聴こえましたが、そうした音声ではなくイヤホンに流れた音楽に注意を惹かれました。何回も繰り返して聞いた好きな曲だから、歌詞を覚えています。本を読んでいるけど、知らずにイヤホンの音楽と一緒に歌えてしまいました。集中力を高めるため、音楽を聴いたけど、逆に、音楽のせいで集中力が続かなかったです。
この経験で、以前見たある動画の内容が浮かびました。中国のあるグループ(bilibiliでのフォロワー数は1112.5万)が音声と集中力についての実験を行いました。200人を5チームのA、B、C、D、Eにランダムに分け、数学のテストを受けました。チームAは何も聴かない状況でテストを受けました。チームB、C、D、Eはそれぞれ「好きなソング」「軽音楽」「ホワイトノイズ」「落語」を聴きながら受けました。その結果、点数が一番低いチームは好きなソングを聴いたチームBでした。一方、一番高いのは軽音楽を聴いたチームCでした。チームBが聴いた曲は各メンバーの自分が好きな音楽で良いと言われたので、そのなかの97.4%は歌詞があるポップ・ミュージックでした[3]。私の経験と実験の結果は一緒だとびっくりしました。
さいごに
今回のブログで先週書いた2篇の「騒音日記」を公開しました。これからも、「騒音日記」を引き続き書きます。
参考資料
[1] 外山滋比古, 思考の整理学, ちくま文庫, 1986
[2] 岩宮眞一郎, 音の生態学 音と人間のかかわり, コロナ社, 2000