脳波のミニ実験で分かったこと

はじめに

 こんにちは、アンです。2022年10月、簡易脳波計を用いてミニ実験を2回行いました。この実験で分かったことを紹介します。

図1:Pulse Wave - Samuel YAN, 2022(脳波データのcsvファイル使用)

簡易脳波計と脳波データ

 今回使用した簡易脳波計はFocus Calmです。脳波データの取得に使ったアプリはGoodBrainです。Focus Calmを使ってGoodBrainのアプリからalpha、beta、delta、theta、gammaの5種の脳波データのcsvファイル(図2)が得られます。

図2:csvファイルのスクリーンショット

実験1

概要

 ノイズが人間の脳に与える影響を分析するため、簡易脳波計を使って、三つのシーンで、5分間ずつ自分の脳波を測りました。

実験日

 2022.10.13 (5pm)

実験時間

 15 min(5 min * 3つのシーン)

騒音の音源

 無料で使用可、ダウンロード可(図3)の音源データを使用しました。[1]

図3:実験中使用した音源

音源の加工

 3つの音のファイルからそれぞれ1分間を切り取ってつなぎ、前後に各1分間の空白を加えて5分間のテスト音源ファイルを制作しました。

実験内容

 下記のそれぞれの場合に、加工した騒音の音源を流し、実験を行います。

  • ミュージックビデオを見るとき

  • 本、文章を読むとき

  • 集中したい作業(コーディング)のとき

実験結果

 図1のような計測した生データに基づいて、Excelを使って下記の図4、図5、図6を制作しました。

図4:実験1-ミュージックビデオを見るときの脳波データ
図5:実験1-本を読むときの脳波データ
図6:実験1-コーディングのときの脳波データ

データ分析
  • 動画を見るとき、本を読むときの場合、騒音と静音の変化の間に脳波のデータに激しい変化(図4と図5のなかのオレンジ色の部分)がありました。作業するときの場合は、そのような変化がないです。

  • リラックスできるとき(図4)より、脳が働くとき(図5と図6)脳波の信号が強い(特に図6のなかでのgamma波とbeta波)です。

問題点

 実験の時間が短いので、データを見るだけでは、騒音環境と静音環境が区別されないです。

実験2

概要

 実験1の問題点を解決ため、実験2で、静音、音楽、騒音の3つの音環境と、3つのシーン、それぞれの場合を組み合わせて、9回の5分間の自分の脳波を計測しました。

実験日

 2022.10.23

実験時間

 45 min(5 min * 3つの音環境 * 3つのシーン)

騒音の音源

 実験1と同じ

音環境の設定
  • 音環境1:静音(通常)

  • 音環境2:音楽

  • 音環境3:騒音

実験内容

 3つの音環境で下記のそれぞれの場合で、実験を行います。

  • 集中したい作業(コーディング)のとき

  • 本、文章を読むとき

  • ゲームをするとき

実験結果

 計測した生データに基づいて、Excelを使って下記の図7のなかにある9個の折れ線グラフと図8の集中力についてのグラフを制作しました。

図7:実験2-9個の折れ線グラフ
図8:実験2-集中力

データ分析
  • 図7を見ると、作業とゲームの場合より読書のときに、音楽、騒音の環境で脳にあきらかな影響があります。

  • 図7を見ると、読書の場合より作業とゲームのときに、脳のgamma波とbeta波の信号が強いです。

  • 図8を見ると、読書とゲームをするとき、静音環境と比べて、音楽環境と騒音環境での集中力が低下しています。

実験1と実験2を総合的に分析した結果

  • 作業などの集中しやすいときに比べ、リラックスできるときの場合で、騒音の音環境で脳波の変化が簡易脳波計で計測されやすいです。

  • この分析結果だけでは、ノイズと人間の感情の関係は曖昧で判明できないです。

さいごに

  2回のミニ実験で計測したデータを分析した結果を紹介しました。自分の脳を使って測ったデータを簡単に分析したので、厳密な結果ではありませんが、ノイズが人間に与えた影響が脳波計で計測できました。これから、簡易脳波計を用いて、ノイズと人間の関係の考察や実験を引き続き行います。

参考資料

[1] 実験に使った音源: