光の集える空間-AIに生成されたタイトルをもとに、プレイリストを作ってみた。vol.2

こんにちは、B3魚田です。 今回は先月から続けているプレイリスト制作withAIの第2回目となります。

前回のおさらい

前回は全体のテーマ設定、各プレイリストの タイトル決定のプロセスと僕が制作した「Vividなバースデーworld」のプレイリストを公開しました。
テーマは「光の集える空間」で、各プレイリストのタイトルを以下のようにしました。
1. 「Vividなバースデーworld」
2. 「時の儀式のダンスパーティー
3. 「Anothre Scape」
4. 「連鎖的酔狂行列の発光」
今回は2.「時の儀式のダンスパーティー」を制作しました。

Adobe FireFlyで生成

制作・解説

今回から、Chat-GPTとClaudeにもそれぞれプレイリストを制作してもらうことにしました。 以下は入力したプロンプトと出力結果です。

Chat-GPT

Claude

そして、以下が実際のプレイリストです。
Chat-GPT

Claude

どちらもご機嫌な雰囲気で統一されているうえ、明らかに違和感のあるような選曲、曲順にはなっていないため、よくできたプレイリストだと感じました。

選曲

2つのAIが選曲したプレイリストの共通点はいくつか見られます。 まず、英語圏の楽曲がほとんどを占めています。
次に、ABBAの「Dancing Queen」とグローリア・ゲイナ―の「I Will Survive」が共通で選曲されています。 前者はタイトルにDancingという単語が含まれているために選択されやすいと考えられますが、後者はタイトルだけでは判断できません。
「I Will Survive」は1978年にリリースされた楽曲で、音楽雑誌『ローリング・ストーン』において、2021年版最も偉大な楽曲で251位に選ばれています。 何故この楽曲がダンスのプレイリストで選曲されるのでしょうか。

調査のために、YouTubeで「I will survive dance」と検索すると、いくつもの動画が投稿されており、 以下のような社交ダンスでも使用されているようです。


www.youtube.com
こういった背景も選曲の要因になっているかもしれません。
その他に、それぞれ、選曲の方向性はあるのでしょうか。 おおよそですが、各楽曲のYouTube上の再生回数の幅は以下のようになっています。(2024/02/08集計)

最も再生回数が多いものは「Shakira - Waka Waka (This Time for Africa)」の約38億回であり、最も少ないものは「TOWA TEI-"GBI"」の約19万回で、視聴回数の幅はかなり大きいことがわかります。
次に選曲されているアーティストの出身国は以下のようになっています。
アメリカが最も多く9曲、次いでイギリスが3曲となっており、それ以外は1曲で並んでいます。 アメリカや西欧圏の楽曲が選ばれている傾向にあります。
日本の楽曲を選ぶように指示した場合も、タイトルに関係なく、「Lemon」や「前前前世」などのヒット曲のみが選曲されており、 英語圏以外についての情報の取り扱いは発展途上のようです。
そして、AIごとの選曲の傾向としてリリース年に注目すると以下のようになります。
円が大きいものほど、再生回数の多い楽曲です。

Chat-GPTが選曲したものを赤、Claudeを青、両方に選ばれたものをオレンジで表示しました。
最も新しいものがBTSの「Dynamite」で最も古いものがRichard O'Brienの「The Time Wrap」です。
このチャートからGPTは最近の楽曲を、Claudeは2000年以前の楽曲を選んだことがわかります。
以上からある程度、AIの制作するプレイリストの方向性がつかめたように感じられます。

おわり

今回は「時の儀式のダンスパーティー」というタイトルのプレイリストをChat-GPTとClaudeに制作してもらい、その選曲について少し分析を行いました。次回は「Anothre Scape」になります。ご高覧頂き、ありがとうございました。

2024年1月:気になったテックトピック3選

こんにちは。 日々最新のテックトレンドを追うのが趣味の、B3 の坂村です。

今回から毎月、1ヶ月間で気になったテックトピック 3 つを選んで紹介していきたいと思います。

rabbit r1

ChatGPT が登場してから 1 年が過ぎ、AI の使用が多くの人にとって日常になってきています。 現在、 AI の体験は Web アプリとして提供されることが一般的ですが、ここ数ヶ月で AI ネイティブなハードウェアが発表されてきています。

これらは新たな UI・UX を提供したり、スマートフォンと接続することで機能するもの、はたまたスタンドアローンで動作するものなど様々な形態で提案されています。また、ChatGPT を提供する OpenAI が Jony Ive のデザイン会社 LoveFrom と AI ハードウェアを開発しているという噂も出ています。

このように AI デバイスに注目が集まっている中、CES2024 に合わせて新しいデバイスが発表されました。それが rabbit の r1 というデバイス

rabbit r1 の Keynote

https://media.wired.jp/photos/659fe2352b5aea59180df364/master/w_2240,c_limit/gear-r1_USB-C_SIM.jpg

rabbit は「LLM(Large Launguage Model)」に対して「LAM(Large Action Model)」を提唱しました。これはアプリケーションの UI を AI が学習することで、アプリケーションの操作を AI が行ってくれるというモデルです。

これまでのスマートスピーカーや ChatGPT は対応したアプリケーションや情報からしか応答できなかったり、選択肢の提案などしか行えませんでした。 しかし、LAM はこの障壁を超えて私たちが AI に任せたい作業や操作を最後まで行ってくれるということです。これにより、検索はもちろんのこと、音声コマンドひとつでチケット予約やデリバリーの注文、Midjourney で画像生成を行うこともできます。

また、カメラを通じてその場の環境について質問をしたり、もちろんディスプレイの操作も可能なので、様々な利用シーンを妄想してしまいます。

今回発表されたデバイス r1 は PC やスマートフォンをリプレイスするものではなく、スマートウォッチのようにコンパニオンデバイスとしての位置付けがされており、次世代のスマートフォンを狙っているわけでなく、AI ハードウェアの浸透を狙っていると考えられます。

発表当日に 1 万台の予約を受けたということで注目度の高さが伺えるデバイスですが、どこまで浸透するかが気になるところです。

Notion カレンダー

メモアプリの Notion が元々機能連携をしていた Cron というカレンダーアプリを正式に統合し、Notion カレンダーをリリースしました。

www.notion.so

https://images.ctfassets.net/spoqsaf9291f/67GIII0VtPNUd35ATwkGwL/a4a13ff014876a4554ba7b3b79273d15/notion-calendar.png

Notion カレンダーでは、Google カレンダーなど外部のカレンダー情報を表示することはもちろん、Notion 内で作成したデータベースの情報をカレンダーに表示することが可能です。

これは、単にカレンダーアプリの選択肢が増えたことだけではなく、今後のオルタナティブアプリの可能性を感じさせるという点で興味深い事例だと考えています。現在、情報の管理や資料の作成など、GoogleApple の純正アプリを使用することが中心となっている中、Notion と Cron の連携を始めとし、単一のアプリケーションが連携する事例が増えていきています。これは、アプリケーションの選択肢が増えるだけでなく、アプリケーションの連携によって新たな価値を生み出すことができるということを示していると考えられます。もちろん、一企業のエコシステムの中で完結することも便利ですが、企業の枠を超えて連携が強化されることで、ユーザの選択肢が増えることは、単純なワクワクと共に、一強体制を破る可能性を感じさせます。

「Arc Search」 は、検索の新しい形を提案するスマートフォン用ブラウザアプリケーションです。

ブラウザを開発するスタートアップ「The Browser Company」が提供する macOS 用ブラウザアプリの Arc は、これまでのブラウザとは異なる検索の体験を提供しています。溜まりがちなタブのマネジメントをはじめ、ワークスペースといった概念やアカウントの管理など、既存のブラウザを凌駕する様々な機能を提供しています。最近では AI を用いて検索の体験を向上させる機能を提供しています。

左側でタブの管理・上部には使用頻度の高いページが常駐

arc.net

そんな Arc の iOS 用アプリケーションとしてリリースされたのが Arc Search です。

Arc Search

Arc Search

  • The Browser Company of New York Inc.
  • Utilities
  • Free
apps.apple.com

Arc Search の目玉機能が「Browse for me」というボタン。これを利用すると、上位の検索結果を要約して、知りたい内容についての独自の解説ページを提供してくれます。

Chrome などにも似たような機能が搭載されていますが、より正確で整理された情報を表示してくれる点で機能としても上回っています。また、立ち上げと同時に検索バーにフォーカスが当たってすぐに検索が始められたり、デフォルトでアドブロックが有効になっていたり、閲覧後のタブを自動でアーカイブしてくれたりと、スマートフォンで利用するブラウザとしてストレスを限りなく減らすような機能が搭載されています。

1 日幾度となく利用するブラウザ、あまり進化のなかった領域ではありますが、Arc Search は新しい検索の体験を提供してくれるアプリケーションとして注目されています。

スマートフォンアプリだけでなく、PC 用のアプリケーションも Windows への展開や更なる進化も予告されている Arc。今後の展開が楽しみです。

光の集える空間-AIに生成されたタイトルをもとに、プレイリストを作ってみた。vol.1

はじめに

 初めてまして、魚田です。 今月から、各月の僕の担当回ではプレイリストを作成・公開し、ブログ上で解説を行います。 初回である今回はプレイリストの解説の前に、テーマと各プレイリストタイトルの解説も行っています。

制作の手順

  1. まず、漠然と方針を決めます。 今回はネットワークやテクノロジー的なテーマなものとしました。
  2. 次にAIにテーマを投げて、4つのプレイリストのタイトルをある程度決めてもらいます。 その後、実例としていくつかの実際のアルバムを伝えて、よりタイトルらしくしていきます。
  3. 最後にAIのアイデアをピックアップし、少し修正。
  4. そのアルバムタイトルを基に選曲を行いました。

テーマ

テーマ:光の集える空間
プレイリストのタイトル
1. 「Vividなバースデーworld」
2. 「時の儀式のダンスパーティー
3. 「Anothre Scape」
4. 「連鎖的酔狂行列の発光」

 テーマとタイトルは「ChatGPT3.5」と「Claude」を併用し、決定しました。
 ChatGPTは、OpenAIが開発した対話型AIであり、自然言語での会話能力の高さから多くの人々の関心を呼んでいます。加えて、ChatGPTの最新バージョンであるChatGPT4は、さらなる能力の向上が図られています。 一方、Anthropicが開発するClaudeも会話AIの新星として期待されています。Claudeは文章生成能力に特化しており、ChatGPTを上回る言語運用能力を持っていると言われています。

まずこのClaudeにテーマと4回の方向性を考えてみてもらいました。 提案してもらったアイデアから、実際にリリースされている音楽アルバムの名前などを伝えながら 実際のプレイリストタイトルを考えてもらうと スタイリッシュ過ぎて名前負けしてしまう……。
ChatGPTに少し手を加えてもらいます。 アルバムの参考例を増やし、Claudeが考えてくれたタイトルを再考してもらいます。 すると以下のようになりました。 この後いくつかの回答をもらい、 "Neon Rituals", "Another Scape , "Neon Nexus", "Virtual Visual Vivid Verse"をピックアップしました。 さらに汚してもらいます。 僕自身の手を少し加えて、最終的に各回のタイトルを 各プレイリストをそれぞれ「時の儀式のダンスパーティー」「Another Scape」「連鎖的酔狂行列の発光(Neon Nexusを意訳)」「Vividなバースデーworld」としました。
最後に、Claudeにテーマを再考してもらいます。 このテーマとタイトルをもとにプレイリストを作成していきます。

解説

「Vividなバースデーworld」 今回のプレイリストでは

  • 誕生日を祝う歌や「誕生」そのものを取り扱っている

  • その他、子供や誕生日にまつわるエピソードがある

という条件で選曲し、プレイリストを作成しました。 原則として収録楽曲は10曲までとして、テンションの起伏をつけた曲順にしました。 歌が「Happy Birthday」で始まり、「Happy Birthday」で終わらせることを目標に選曲し、電気グルーヴ「HAPPY BIRTHDAY」を1曲目に、ケイティ・ペリーの「Birthday」を最後に配置しました。ほとんどの楽曲はタイトルや歌詞から採用しました。
一部楽曲については以下のような理由で採用しています。

  • 「Hyakki Yagyo」アルバムのテーマに生命の誕生が含まれているため
  • 「音楽」メンバーが子供のために制作した楽曲であるため
  • 「BADモード」レコーディングにアーティスト自身の息子が参加しているため
  • 「Answer to Remember」タイトルと直接関係していませんが、インタールードとして挿入しています

「Hyakki Yagyo」から「今日も誰かの誕生日」の流れが気に入っています。

※おまけ Apple Musicでプレイリストを作成するメリット

Appleが提供している音楽アプリ「Apple Music」にはクロスフェードという機能があります。 これは再生している楽曲の終わり際に、自動でその曲をフェードアウトさせながら、次の曲をフェードインしてくれる機能です。 この機能により、まるでDJのような曲の切り替えを楽しむことができます。 この企画で作成するプレイリストでは特にこのクロスフェードを気持ちよさを意識しています。

※アプリケーションでのみこの機能は有効です。

絵筆とコードの時空間を超える対話

台北でのジェネラティブアート展示会について

目次

はじめに

 こんにちは、アンです。最近、台湾を拠点として活動している組織のVolumeDAOから誘われ、fx(hash) 2.0に新作の「unTie」を出品しました。また、12月15日の夜に台北でテーマは「繋 Ties」というアートサロンを行いました。自分の作品の展示風景を現場で見たかったため、11日から16日まで台北に行きました。大勢の方に来場していただいたことに感謝します。12月、台北で他にもいくつかのアートやジェネラティブアートについての展示会があります。「INFLUENTIA」「Kuo Hsueh-Hu And Generative Artists: Landscape Across Centuries」「2023 Taipei Biennial」を見に行きました。そのなかで、「Kuo Hsueh-Hu And Generative Artists: Landscape Across Centuries」を13日、14日に2回鑑賞しました。今回のブログで、その展示会について詳しく話します。

展示会の概要

展示会のポスター
 テーマは日本語に翻訳すると、「郭雪湖とジェネラティブアーティストたち - 100年を超えた風景をめぐる対話」です。郭雪湖(1908-2012)は、1908年台北で生まれ、日本統治時代の台湾の画家であり、近代台湾を代表する影響力のある画家の一人として知られています。キュレーターが台湾アーティストの王新仁・林経堯・黄新・陳依純・陳普・劉乃廷6人を誘いました。作家たちが郭雪湖の《南街殷賑》、《塔山煙雲》、《滿庭香》、《淡江泊舟》などの作品を再考し、デジタルのツールを使って新作を作りました。また、テーマ、メディア、構図、色彩など、さまざまな視点から検討し、アーティストの表現に無限な可能性を与えました。 同時に、アルゴリズムとAI技術が郭雪湖の創作の世界を再解釈し、歴史と現在のつながりを示しました。

作家たちとの対話

 12月13日、14日に2回ギャラリーに行って鑑賞しました。13日は1人で行きましたが、14日にもう一回行くとき、作家の王新仁・林経堯・劉乃廷が現場にいたので、直接作家たちと色々話しました。これから、3人との会話から知った作品制作の裏話と作品について紹介します。

王新仁:AIには意図的に絵の一部だけを学習させた

 今回、王は3つの作品を作りました。3つは一つのシリーズの「Bridging Eras」になります。作家が郭雪湖の絵画をAI(Stable Diffusion)に与えて学習させました。そして、勉強した内容により、AIが新しい画像を生成した。作家が生成した画像をp5.jsを用いて読み込み、もう一回プログラミングしました。最後に、AIやp5.jsなどのデジタルのツールを使って得たアウトプットを印刷しました。使用したメディアは黒いアルミ板です。

郭雪湖《塔山煙雲》(左) vs 王新仁《Bridging Eras #Landscape》(右)
 私は創作のなかにAIを使ったことがないので、作家とAIの部分をたくさん話しました。驚いたのは、王がAIに意図的に絵の一部だけを学習させたことです。「そうしないと、AIは自分が何を学んでいるのかすぐに理解してしまう。 AIがより創造的になるためには、AIが学習していることをすぐに理解できないようにする必要がある」と王は話しました。そのため、王は郭雪湖の絵画をいくつかの部分に分け、AIに別々に学習させました。 そして、AIが生成したパーツの画像を取り込み、それらを組み合わせて今回のシリーズを作成しました。作品に使われた色は、紙に印刷すると暗くなる可能性があるため、黒いアルミ板に印刷してみました。これで、色が鮮やかに見えます。

林経堯:京都を旅行中に突然何かを作りたくなった

 林は「台南小西門」という作品との対話を選びました。郭雪湖は「台南小西門」の制作にあたり、線で主要な建築物の輪郭を描き、異なる色調の黒で明暗の関係を表現しました。林はそれらを意識し、デジタル技術を駆使して筆触と輪郭線を実現しようとしました。シリーズ作品の「水郷四時」は、4つの異なる時間帯の水郷の建築風景で構成されています。

郭雪湖《台南小西門》(左) vs 林経堯《水鄉四時》(右)
 作品の中央から水平線によって上下に分かれています。 上部は建物の部分です。 下部は湖に映る建物の部分です。 作品の生成過程を見ると、建物と反射は同時に生成されることがわかりました。 作者は、下半分に歪みとずれを加えることで、反射の感覚を表現しています。作品のプリントに林はフレスコジクレーの紙を選び、「紙の凹凸のある質感を作品のベースに残したかった」と語りました。林は日本が好きで、特に京都が大好きです。そのため、1年間に何回も家族と京都へ旅行しています。今回の作品も、京都で建物や風景を見ながら最初のアイデアが生まれたそうです。

劉乃廷:これから93年間、私の作品は変化していく

 劉はp5.js を使用してフレームごとのジェネラティブ ペインティングを作成するのが得意で、彼の作品のテーマは主に具象的なオブジェクトです。今回もそうです。彼が得意とする具象的なオブジェクトを使い、現在の台北の街並みを描写します。

郭雪湖《南街殷賑》(左) vs 劉乃廷《Walk in Progress #0》(右)
 劉の新作の「Walk in Progress」は、郭雪湖の「南街殷賑」(1930年)を、時間を中心概念としてコードで表現したものです。印刷したのは変化している「Walk in Progress #0」の4つの段階の静止画です。1/4は、街風景の輪郭線です。2/4は、まだ塗りつぶされていない部分がいくつかあり、「これは過程である」ということを示す手がかりが残されています。3/4の第3段階は最終調整で、ライトが輝き始めるだけでなく、太陽の位置も低く沈みます。4/4の最後には看板は崩壊し、伝統的なメディアと都市開発の輪廻を表現しています。「Walk in Progress」というタイトルは、「Work in Progress(進行中の仕事)」にインスパイアされたもので、ほぼ1世紀にわたるこの2つの作品(郭の「南街殷賑」と劉の「Walk in Progress」)は、台北の進行中の都市開発の2つのWIPを表しています。
劉乃廷《Walk in Progress #0》1/4, 2/4, 3/4, 4/4
(作品のスクリーンショット https://akaswap.com/event/guoxuehuにより)
 作品のNFTはWalk in Progress #0のデジタル版です。ミントした後7日以内であれば、輪郭線の描写の完成までを見ることができます。7日から1ヶ月の間に、色とテクスチャの描写の完成までを見ることができます。1ヵ月後、全体の描写の完成までを見ることができます。93年前の1930年の郭の作品「南街の祭」を再考して「Walk in Progress」が作られました。それに対して、93年後には作品が崩壊し始めることを劉が設定しました。そのとき、作品を開くための対応ブラウザは存在するのだろうかと劉が言っていました。

さいごに

 今回は、主に「Kuo Hsueh-Hu And Generative Artists: Landscape Across Centuries」とそのなかの3つの作品について紹介しました。展示期間は2024年1月14日までです。ぜひ、台北に行ってみてください。台北で見た他の展示会も面白かったです。チャンスがあれば、またブログでみなさんに紹介します。

渋柿の渋抜き方法を紹介してみる

はじめに

こんにちは。ネットワークデザインスタジオB4の阿部です。 10月ごろの話なのですが、祖母の家に帰った際に柿の収穫を行いました。屋根に登り、従兄弟たちと協力して収穫しました。30Lの袋3個分も採れました。

収穫した柿

これが屋根からの景色です。新潟の山と田んぼが見えて開放的でした。

屋根上からみた景色

採った柿は自分たちで加工し、自分たちで頂きました。その時祖母に教えてもらった柿の加工方法をここで共有したいと思います。

柿の種類

まず柿には甘柿と渋柿の2種類があります。 甘柿は自然に甘くなるのでそのまま食べることができます。 渋柿はそのまま食べると苦いです。渋を抜くか、干し柿にすると美味しく食べられます。 今回収穫したのは渋柿だったので、渋抜きを行いました。

渋抜きの方法

祖母に教えてもらった方法はこうです。

渋抜き方法

渋抜きのやり方

  1. ヘタを根本から切る

  2. 切った部分に、ティッシュや布を使って焼酎を染み込ませる

  3. 密閉して、1週間放置

これだけで渋柿が甘い柿に生まれ変わります。焼酎を少し染み込ませた程度で変わるのかと不安でしたが、ちゃんと柿全体が甘くなってました。美味しかったです。

おわりに

今回は渋柿の渋抜き方法についてお話ししました。ちなみに柿は実がなるのに8年かかるらしいです。「桃栗三年柿八年」と言いますが、本当だったんですね。大量に収穫してしまいました。

ギリシャ旅行 ギリシャ国内での飛行機・フェリー編

はじめに

 こんにちは。ネットワークデザインスタジオM2の及川です。前回のブログ記事に引き続き、夏休み中のギリシャ旅行について書きたいと思います。今回は、ギリシャ国内での飛行機・フェリーによる移動についてです。

ギリシャ旅行の旅程

 今回の旅程は以下です。

サントリーニ島の景色

ギリシャ国内の飛行機での移動

 アテネからクレタ島への移動とミコノス島からアテネまでの移動では、国内線を利用しました。概要は以下の通りです。

アテネ(ATH) -> クレタイラクリオン(HER)

  • 9月下旬
  • 18:05 - 18:55
  • Olympic Air
  • 約13,962円 / 1名
  • 機内持ち込み荷物 25 x 45 x 56cm 1個あたり8kgまで
  • 預け入れて荷物 1個あたり23kgまで

ミコノス(JMK) -> アテネ(ATH)

  • 9月下旬
  • 17:45 - 18:25 (予定時間)
  • Aegean Airlines
  • 約11,716円 / 1名
  • 機内持ち込み荷物 25 x 45 x 56cm 1個あたり8kgまで
  • 預け入れて荷物 1個あたり23kgまで

 スカイスキャナーで価格・時間を調べた後、Booking.comで予約をしました。どちらのフライトも遅延や欠航はなく、問題なく移動することができました。ミコノスからアテネの移動では、予定よりも短い時間のフライトでした。そのため、離陸してシートベルトサインが外れた瞬間にCAさんが早足で水を配り、配り終えると同時に着陸体制に入るという面白い体験をしました。

ギリシャ国内でのフェリーでの移動

 クレタからサントリーニへの移動と、サントリーニからミコノスの移動ではフェリーを利用しました。

見かけたフェリー。乗船したものとは異なります。

イラクリオン - サントリーニ (ティラ)

  • 8:00 - 9:50
  • SEAJETS
  • 約8,136円 / 1名

サントリーニ(ティラ) - ミコノス

  • 13:35 - 16:20 (予定時間)
  • SEAJETS
  • 約8,621円 / 1名

 Direct Ferriesで価格・時間を調べた後、SEAJETSの公式サイトから予約をしました。

イラクリオン - サントリー

 イラクリオンからサントリーニでの移動自体は、ほぼほぼ定刻通りの移動を行うことができました。
 事前に調べた際に、「出発時間に余裕を持って行ったほうがよい」と書いてあったため、1時間強余裕を持って乗り場に到着しました。門の中にチケット発行のための長蛇の列がいくつかあり、船に乗るまでにかなり時間がかかりました。事前にWebでチケットを予約していたため、そのまま乗り込めると思っていたのですが、紙チケットの発行が必要でした。列の最後尾に係員の方が立っており、どの列に並べばいいか教えてくれます。しかし、私たちは間違った列を案内されており、窓口にたどり着いた後に他の窓口に案内され直しました(泣)。
 乗船後、キャリーケースのような大きな荷物は、客席(2階)ではなく貨物スペース(1階)に来た順で置く形でした。異国の地で荷物を放っておくのはなかなか怖かったですが、紛失することもなく無事でした。
 席は指定席で、予約時のメールには載っておらず、紙チケットに座席が書いてありました。他の方々はグループごとに横並びだったのですが、なぜか私たちだけ縦並びでした。乗り込んでから出航まではほとんど待ち時間がなかったので、余裕を持って乗り場にいてよかったと思います。
 船酔いを懸念していたものの、今回のフェリー移動は波も高くなく、船も大きいタイプだったため、私たちも含め周りで船酔いをした方はいませんでした。

サントリーニ(ティラ) - ミコノス

 サントリーニからミコノスの移動が本当に大変でした。まず、出発の時刻になってもフェリーは現れず、特に放送や案内もないまま1時間ほど待ちました。同じゲートのお客さん同士で、「ここはミコノス行きであっているか?」「13:35発であっているか?」などの会話が聞こえ、みんな不安そうにしていました。
 その後、小さめな船がやってきて、乗り込んでいきました。今回のフェリーは小さめだったため、キャリーケースは客席付近に設置された新幹線のような荷物置き場に置きました。今回もなぜか私たちだけ縦並びでした(笑)。
 出発後、すぐに船が揺れ始めました。ジェットコースター並みの浮遊感が繰り返す中、係の人が体調不良者用に紙袋を持って客席に現れました。具合が悪そうな人には声をかけ、紙袋を配っていきます。見渡すと色々なところで具合が悪そうな人がみられました。どうやら撮影は禁止のようで、友人が揺れの様子を動画で撮影していると、目の前で削除するように言われていました。
 結果的に、予定よりも3時間程度遅れての到着でした。日本の酔い止めに本当に感謝する移動でした。フェリーでの移動を考えている方は、酔い止めを持って行くことを強くお勧めします。

おわりに

 今回は、ギリシャ国内での飛行機やフェリーによる移動についてまとめました。海外旅行では大きな荷物を持っての移動となることが多いと思うので、荷物のオプションについての確認や、置き場所について確認しておくのが大切だと感じました。

騒音日記(四)

 この日記は、自分が聞こえた騒音や感じた騒音を記録します。とくに、僕に影響を与えた騒音や感想を記録します。

目次

はじめに

 こんにちは。アンです。先月の「騒音日記(三)」に引き続き、今回は2023.8.28〜2023.9.10の2週間の日記を公開します。  

NoisePlanet_OMICRON by Samuel YAN (https://openprocessing.org/sketch/1873227)

2023.8.28(月)

急行の井の頭線の列車で聞いた「ガス代」

 電車に座って電車の発車を待っていたとき、友達と雑談した。電車の中は静かだった。そのとき、「ガス代」という言葉に注意を惹かれた。音源のところを見ると、2人の男性が「ガス代」についてディスカッションしていることがわかった。2メートルくらい離れたところに立っていた人たちの言葉が聴こえたことに驚いた。ブロックチェーンについてのワークショップに参加している私たちに身近な言葉だったから、聴こえて注意を惹かれたかもしらない。本当にNFTについての「ガス代」を話しているかを確認するため、遠いところからの声に注目して友達と一緒にチェックした。やっぱり聞いたのはNFTについての「ガス代」だねという結論だった。

2023.9.1(金)

スタッフを5回くらい呼んだおばあちゃん

 今日、ドトールに行ってアイスコーヒーを頼んだ。作業したかったので、店内で1時間くらい過ごした。入店すると、目の前に白髪のおばあちゃんがいた。レジの前で、ストレッチしていた。まず、それに驚いた。自分は行列の2番目だけど、前の注文が多かったため、1番目のおばあちゃんはまだ注文を聞かれず、待っていた。待っているので、ストレッチしていたのかもしれない。その後、おばあちゃんが頼んだドリンクのカップをテイクアウト用のカップに変えてほしかったので待っていたことがわかった。そして、やっと自分の番になって、ドリンクを頼んだ。ほぼ満席だったので、レジの対面に座った。右を見ると、あのおばあちゃんがまたレジ前に立っていた。今回はハンカチとサングラスを持っていた。おばあちゃんを正面から見たことはないけど、言葉の発音から判断すると、おばあちゃんの歯が少ないことがわかった。そのため、おばあちゃんが店員に話した内容が私にははっきりわからなかった。そのときは店員が2人しかいなかったので、「少々お待ちください」と返事していた。2分くらい後、店員がレジから出ておばあちゃんの隣に移動した。そして、おばあちゃんのハンカチとサングラスを取って、ハンカチを使ってサングラスを拭いた。拭きながら「ここ、こことここで拭いたら良いでしょうか」っておばあちゃんに確認した。もう一回驚いた。日本のサービス業界は、そんな細かいことまでサービスを提供しているんだねと。その後、「お湯頂戴?」「片付けてください」などもう2、3回くらい店員を呼んだ。レジの隣に座って作業に集中したかった私にとって、本当にうるさかった。イライラして、全然落ち着かなかった。気持ちは驚きから、「うるさくて面倒臭い」「また?」「やめてよ」など、怒りまではなかったけど気分が悪くなった。

2023.9.5(火)

拍手・歓声

 午後、友達と東京ドームに行ってボーリングで遊んだ。4年ぶり、日本で初めてのボーリングだから、緊張した。全員揃って、入り口で久しぶりにみんなと挨拶した。みんな最近あまりボーリングで遊んでなかったので、緊張しながら、楽しみに来てテンション上がった。最初の何回か、みんなの点数は低かった。でも、誰かが初めてのストライクを達成した瞬間、みんな一斉に大声で歓声をあげて拍手した。もちろん、自分もテンションが上がって拍手しながら叫んだ。でも、11人の声は本当に大きかった。気になった僕は、周りのスタッフと他のお客様を見た。他の客がこっちを見た一方、スタッフたちは無表情だった。このような音環境にもう慣れたような顔だった。そのあと、自分も何回かストライクが出た。何回もテンションが上がってみんなと一緒に歓声をあげた。他の人にとって、私たちはうるさかったかもしれない。ほぼ1時間後、僕たちの左側に、他の十数人のグループが来た。時々、左側からの歓声と拍手の音に惹かれたことがあった。ボーリングの後、みんなと居酒屋に行って飲んだ。そこでも大声で歓声をあげた。その際、店員さんが来て、「他のお客様もいらっしゃいますので声を控えてくださるようにお願いします」って私たちに言った。そのとき、場所によって、大声が許容される程度が違うことを感じた。

2023.9.7(木)

聞こえなくなったセミの鳴き声

 今日、bilibili(中国の動画共有プラットフォーム)で「夏が終わる音がする」という動画を見た。4つの日本での代表的なセミの声を紹介した。紹介したのは、鳴き声が油を熱したときに撥ねる音に似ているアブラゼミ、「ミーンミンミンミンミンミー…」という鳴き声がよく知られているミンミンゼミ、朝夕に甲高い声で鳴くヒグラシと晩夏から初秋に発生するツクツクボウシだった。そういえば、最近、セミの声が聞こえなくなってきた。そういえば、夏が終わっているかもしれない。面白いところは2つある。1つは、セミの声は種類によってたくさんあることを知らなかったことだ。もう1つは、季節(初夏、真夏、晩夏など)と時間帯(朝、昼、夕方など)により、セミの声は違うことだ。セミの声は夏に聞こえる音だけではなく、時間の流れと季節の移ろいなどの意味もあると思う。それまでは、セミの声が騒音にしか聞こえなかった私にとって、いい勉強になった。前に紹介した4つのセミは日本でカタカナの名前で表記することが多いが、それぞれの漢字表記も面白いと思う。鳴き声の特徴で名付けられたアブラゼミとミンミンゼミは「油蟬」と「ミンミン蟬」だ。時間や季節との関係あるヒグラシとツクツクボウシは「日暮」と「寒蟬」だ。このように命名する方法は日本のロマンチックなところ、日本文化の魅力的なところだと思う。

2023.9.9(土)

大阪メトロのドアのサイン音

 中国から来た家族と旅行するため、東京から大阪に来た。新幹線の新大阪駅から大阪メトロの御堂筋線に初めて乗った。エスカレーターに乗って電車のホームに着いた。ホーム番号をスマホで確認した上、1番線に止まっている列車に入った。その後、ずっと鳴いていた提示音に惹かれた。ドアが開いたままで「ディー…ディー…」のようなゆっくりのサイン音が聞こえた。JR東日本東京メトロと違うので、気になった。最初聞いたとき、意味がわからなかった。何か異常なことが起こっているかと思った。周りの様子を確認しながら、ちゃんと聞いて少し理解できた。これは大阪特有のサイン音かもしれない。停車中の開けたままのドアのサイン音だと思う。

さいごに

 今回のブログで2023.8.28〜2023.9.10の2週間の「騒音日記」を公開しました。これからも、「騒音日記」を引き続き書きます。